「電話がなかなかつながらない」「変更したいけれど、診療時間のあいだに連絡する時間がない」。そうしたお声をいただくことがあります。お待たせしてしまい、申し訳なく思っています。
いま、その部分を変えるために、予約の仕組みを院内でつくり直しています。どんなことをしようとしているのか、ご報告させてください。
ネットで「変える」のは、「取る」よりずっと難しいのです
ネットから新しいご予約をお取りいただく仕組みは、実はそれほど難しくありません。空いている時間をお見せして、そのなかから選んでいただくだけだからです。
むずかしいのは、すでにお取りしているご予約を、ネットからご自身で別の日に動かしていただくことのほうです。
ホテルのご予約であれば、日にちを変えるときも、空いているお部屋を探せば済みます。歯科の場合はそうはいきません。ひとつのご予約を動かすために、次のことをすべて同時に満たす必要があります。
- 担当する歯科医師・歯科衛生士が出勤している日か
- その処置を担当できる歯科医師か。治療によってはお願いできる者が限られます
- 使用する診療台(ユニット)が空いているか
- その処置ができる診療台か。機器が備え付けの台でしか行えない治療があります
- 大人の方の診療台か、お子さま用の診療台か
- レーザーなどの機器が、同じ時間帯に重なっていないか
- 足元にご不安のある方を、2階の診療台にご案内していないか
- ご自宅へお伺いする訪問診療は、診療の時間に加えて、行き帰りの移動時間まで確保できるか
- 託児をご利用いただける日か。保育士の人数にも限りがあります
- 初めての方は、歯科医師と歯科衛生士の二人ぶんの時間を確保できるか
- 続けて行わないほうがよい処置が、近い日や前後の時間に入っていないか
- 前回のメンテナンスから、あけるべき期間が過ぎているか
- 被せ物などの技工物が仕上がる日を過ぎているか。逆に、その前の型取りを遅らせすぎていないか
ひとつでも欠けると、その日時はご案内できません
ここに挙げたのは一部です。これらを人の頭のなかで組み替えるのは、実際とても手間がかかります。ですのでこれまでは、お電話をいただいてから、受付が一つずつ確かめながらお日にちを探していました。その場でお答えできず、折り返しのご連絡になることもありました。
受付の仕事は、この数年で確実に増えています。そのなかで、変更のご連絡をすべて滞りなくお受けするのは、正直に申し上げて難しくなってきました。結果として、患者さんに我慢をお願いする形になっていたと思います。
市販の仕組みでは、ここまでは扱いきれません
いま使っているシステムも、よくできています。ただ、全国のさまざまな診療所で使えるようにつくられているぶん、どうしても汎用的な作りになります。どの診療台でどの処置ができるのか、誰が何曜日に出勤しているのか——そうした当院だけの事情までは、設定で表しきることができません。
それならば、当院のことだけを知っている仕組みを自分たちでつくったほうが早い。そう考えました。
プログラムは、まったくできないところからの出発でした
私はもともと、プログラムを書ける人間ではありません。以前にVisual Basicを勉強しましたが形にならず、FileMakerに切り替えてからも苦労が続きました。
変わったのは、AIに手伝ってもらうようになってからです。はじめは部分的なコードを書いてもらう程度でしたが、材料の発注や在庫の管理といった小さな仕組みは、その頃につくったものです。
今年に入って、開発を支援するAI(Claude Code)を使うようになり、機能をひとつずつ積み上げていけるようになりました。それで、ずっと諦めていた「複雑な予約変更を自動で処理する」ことに、ようやく手をつけられました。
「次の予定は未定だけれど、治療の内容は決まっている」。そこから予約を再開する——こうした、実際の診療ではあたりまえのことほど、仕組みの上では扱いが難しいのだと知りました。
いまの状況と、正直なお願い
4か月ほど、毎日少しずつ進めてきました。ようやく形になり、いまはスタッフに実際に使ってもらいながら、使いにくいところを直している最中です。
正直に申し上げると、不具合が完全になくなることはないと思います。運用を始めてからも、気づいたところを直しながら進めていきます。「動きがおかしい」と感じられたときは、そのままお知らせいただけると助かります。ご協力をお願いすることになりますが、その分は必ず使いやすさでお返しします。
目指しているのは、単純なことです
これから、こうなります
- ご予約の変更を、スマートフォンから数十秒で終えられるように
- ご希望に合う空いた日を、こちらからご提案できるように
- 診療時間が終わったあとでも、夜中でもお手続きできるように
- お電話は、したい方がするものに
お待たせしてきた時間を、少しでもお返しできればと思っています。
診察券アプリが、LINEに変わります
いま「私の歯医者さん」アプリを診察券としてお使いいただいている方に、あわせてお知らせがあります。
これまでお使いいただいてきた「私の歯医者さん」は、LINEの診察券に置き換わります。切り替え後は「私の歯医者さん」をご利用いただけなくなりますので、お手数をおかけしますが、LINEへのご登録をお願いいたします。
新しいアプリを入れていただく必要はありません。すでにお使いのLINEのなかに診察券が入り、ご予約の確認や変更も、そこからできるようになります。
いま、ふたつだけお願いしています
新しい仕組みは、LINEを通してお使いいただきます。そのための準備を、いま院内で進めています。
- 当院のLINEを友だち追加していただく
- 診察券の番号をLINEに登録(紐づけ)していただく
この2つが済んでいると、ご予約の確認や変更のご案内が、そのままLINEに届くようになります。受付や診療室でもご案内していますので、来院の際にお声がけください。数十秒で終わります。
ご登録がまだの方には、これまでどおりの方法でご案内します。ご心配はいりません。
本格的な切り替えは2026年9月以降を予定しています。それまではスタッフが実際に使いながら、細かいところを直しています。準備が整いしだい、あらためてご案内します。
現在のところ、プログラムは788のファイル・およそ22万行になりました。数の多さそのものに意味はありません。それだけ細かな条件を、ひとつずつ書き出す必要があったということです。まだ道半ばですが、少しずつ進めてまいります。
文責 理事長:久保倉弘孝
医療法人社団 敬友会
小机歯科医院/久保倉歯科医院/都筑キッズデンタルランド/相模原敬友会歯科
この記事の執筆者
久保倉 弘孝(歯科医師・医療法人社団:敬友会理事長)
1986年に小机歯科医院を開設。K.SRCT(久保倉式スーパー根管治療)考案者。ICOI国際インプラント学会指導医(Diplomate)、歯科医師臨床研修 指導歯科医。