キャンセル
昨今、インターネットやスマートフォンの普及により、医療機関の、予約やキャンセルが容易に行えるようになりました。その利便性の反面、以前では考えられなかったような無断キャンセルや直前キャンセルが増加しております。
具体的には、ご家族4名での一斉キャンセルや、1時間という時間を確保した新規患者様の枠を「痛みが治まったから」という理由で直前に取り消すケース、さらには連絡もなく来院されないケースも見受けられます。内科等の短時間の診療とは異なり、歯科診療では1人あたり30分以上の時間を確保し、人員を配置して準備を整え、患者様をお待ちしております。
当院におけるキャンセル率は概ね5%程度ですが、状況によっては10%に達することもあり、実質的に1割の診療時間が失われていることになります。飲食店やホテル等ではキャンセル料の徴収が一般的となっている中、医療機関においてのみ安易なキャンセルが許容されている現状には疑問を感じざるを得ません。
こうした中、本年3月末に厚生労働省より「療養の給付の対象とならない費用」として、キャンセル料の徴収が明記された通知が出されました。医療機関の窮状を汲み取った前向きな方針と期待し、当院としてもキャンセル料の徴収そのものが目的ではなく、心ないキャンセルを抑制し、公平な診療環境を維持するための契機になると考えておりました。
しかし、制度の運用開始直前となる6月に至り、厚生労働省は「予約料を徴収している医療機関に限る」という、当初とは異なる解釈を示しました。政治的背景や世論の影響によるものと推察されます。よって現状、制度の適用については慎重に見極める必要があると考えております。
当院は公的機関ではなく民間の医療機関であり、補助金等に頼らず皆様からの診療報酬によって運営を維持しております。また、現在多くの患者様から診療を希望いただいておりますが、不適切なキャンセルによって予約が埋まり、本来治療が必要な方をお断りせざるを得ない事態は本意ではありません。
すべての患者様に公平かつ円滑な診療機会を提供するためにも、良識ある予約管理にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
医療法人社団 敬友会 理事長 久保倉 弘孝
