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保険の根管治療費は世界最貧国以下

1. 「根管治療(根の治療)は世界の常識を超越した安さ」— 世界最貧国であるブルンジ・南スーダンよりも低い診療報酬

 

日本の国民皆保険制度は素晴らしいものですが、根管治療(歯の根の治療)の公定価格は、その恩恵の裏側で、世界の常識からかけ離れた異常な水準にあります。

根管治療は、歯の内部の複雑な構造を扱う、歯科医療の中でも最も専門性が高く、繊細な技術が求められる分野です。私たちは、長年の訓練と高度な知識を駆使して、見えない根の内部の感染を、歯科用マイクロスコープで覗き込みながら、0.1ミリ単位で処置をします。

 

治療内容 歯科医院が国から受け取る総額(10割)日本の健康保険 先進国相場(自費) 世界最貧国の市場価格(実費)
根管治療費用 (約6,000円〜9,000円 1本) 10万円〜30万円 3万円〜10万円以上

 

経済の逆転現象が起こる理由

 

この異常な価格差は、日本の公的医療保険による強大な価格統制の結果です。

色々調べた結果、ブルンジ南スーダンといった、世界で最も経済的に困難な国々であっても、質の高いプライベートクリニックは、治療に必要な輸入機器や材料(ドル建て)のコストを価格に反映せざるを得ません。その結果、その市場価格は日本の保険診療の総額(約1万円未満)を上回ります。

つまり、経済大国日本の「専門的な医療サービス」の公定価格は、世界最貧国の市場価格にすら負けているのです。

 

昨今の物価高騰が、自己犠牲を不可能にする

 

当院は、「患者様の歯を救いたい」という強い信念と自己犠牲のもと、治療の成功に不可欠な歯科用マイクロスコープ(約500万円)を導入し、保険診療でも使用し、質の高い根管治療を行う努力を続けています。

しかし、世界最貧国の診療費用よりも大幅に安い報酬では、機器の維持費やスタッフの給与はもちろん、昨今の急激な物価高騰による電気代や材料費のコスト増を賄いきれません。この矛盾は、私たち医療者個人の努力では維持できない限界に達しています。

そして、専門的な非常に高度な治療内容なのに、この低診療報酬では、この治療の意義も患者さんには伝わらず、私たち歯科医師としては非常に複雑な思いをしております。

 

「質の維持」が限界を迎えることの深刻さ

 

当院は今も全力を尽くしていますが、このままでは「質の維持」そのものが困難になることが、最終的に患者様にも不利益をもたらします。

① 保険の制約による「最高の精度」の追求の難しさ

この様に異常なまでに保険診療の報酬は低いため、時間と材料に厳しい制約があります。当院はマイクロスコープを使っていても、報酬上の制約(治療回数や材料の指定など)から、海外の自費診療のような最高の精度や確実性を追求しきれないというジレンマを常に抱えています。

② 誰も得をしない「抜歯リレー」の懸念

もしこのまま質の維持が限界を迎えれば、再発のリスクが高まり、最終的に歯は抜歯となります。安価な治療を繰り返した結果、歯を失い、1本数十万円の自費診療であるインプラント治療を余儀なくされるのは患者様ご自身です。

 

 患者様へのお願い:未来の歯への「投資」をご検討ください

 

私たちは、あなたの歯を守るために、限界を超えて闘っています。しかし、あなたの歯の価値は、経済的な逆転現象が起こるほどの低報酬で評価されるべきではありません。

  • 当院の努力へのご理解: 当院は、日本の「安すぎる医療」の現状に抗い、マイクロスコープを使い続けています。
  • 「未来の歯への確実な投資」: 根管治療があなたの歯を救う最後のチャンスである場合、時間や材料の制約を完全に排し、成功率を最大化する精密根管治療(自費診療)という「未来の歯を守るための確実な投資」を真剣にご検討ください。

 

日本の「安すぎる医療」の現状が、あなたの歯と健康に与えるリスクをご理解いただき、どうか私たちと協力して、ご自身の歯を守るための最良の選択をしてください。

文責 理事長 久保倉弘孝

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