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歯の彫刻

歯の形の彫刻

歯科医師は、ご存じの通り、口腔内の疾患を治療する専門職であり、口腔領域の医学的知識のみならず、全身の医学的知識も不可欠とされます。

また、人体で最も硬い組織である歯を扱うため、セラミックや金属材料、および接着に関する知識も必要となります。

さらに、病める患者様の治療に携わるため、ホスピタリティの精神が極めて重要であることは言うまでもありません。

加えて、立体的な造形を扱うセンスと芸術性が要求される点も、非常に重要な要素です。

知識ベースの習得については、厳格な国家試験を経ているため、さほど問題はありません。

歯学部の低学年時には、歯牙解剖学という講義があり、多くの大学で石膏棒などへの歯の形を彫刻する実習を通じて学習が行われます。

しかしながら、立体的な造形力や芸術的センスに関しては、現在の歯科医師国家試験に実技試験がないため、その教育はごくわずかです。結果として、これらの能力に乏しい者にも歯科医師免許が付与されてしまうのが現状です。

立体的な造形力が必要とされる理由は、歯の形を再現する際にその能力が不可欠であることからもご理解いただけるでしょう。しかし、問題は、見えない部分をいかに立体的に理解するかという点です。歯は歯槽骨という骨の中に埋没しているため、直接視認できません。この部分を削るなどして治療を行うのが根管治療です。この際、立体的な造形力に欠ける歯科医師は、歯の内部から歯槽骨に向かって穿孔を生じさせてしまうことがあります。

また、インプラント治療においても、骨の中にドリルを進めてインプラントを埋入する孔を形成しますが、この場合も、立体的な造形力のない歯科医師は、本来の方向から逸脱した方向に孔を開けてしまい、結果的に理想的ではない位置にインプラントを埋入してしまうことがあります。

この立体的な造形能力は、歯科医師になるまでの過程、特に幼少期の生活習慣に依存すると言われています。

具体的には、子供時代にプラモデルや裁縫のような細かい手作業に親しんできたか、あるいはゲームのような平面の世界に没頭してきたかという点が挙げられます。

それでは、これらの立体的造形力と芸術性は、歯科医師になってからも向上させることが可能でしょうか。

答えは、おおむねイエスです。しかし、歯科医師になった時点でその能力に秀でている者との間には、大きな差が生じていることは確かです。

敬友会では、歯科医師の採用の際に、この彫刻を採用試験に課しています。あまりにもその能力に劣る歯科医師を除外するためだからです。

そして、さらに練習を続けて、歯の形を根の形も含めて頭に叩き込みます。

実際には、手本となる歯を観察し、それに酷似した形にワックス(ロウの塊)を彫刻刀で削る練習を積み重ねるのです。

敬友会では、全歯科医師がこの彫刻に取り組んでいます。

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