FULL DENTURE

総入れ歯
(リンガライズドオクルージョン)

「入れ歯ではよく噛めない」とお悩みではありませんか。当院では、よく噛めるかみ合わせ「リンガライズドオクルージョン」と専用の人工歯を用いて、自然な見た目としっかり噛める総入れ歯(自費診療)を製作しています。

リンガライズドオクルージョンの総入れ歯(自費診療)についてご紹介します。総入れ歯の善し悪しは、見た目だけでなく「どれだけよく噛めるか」で決まります。当院では、よく噛めるかみ合わせと、それを実現するための専用の人工歯・精密な製作工程を組み合わせ、しっかり噛める総入れ歯を目指します。

よく噛める人工歯「イーハブレイド(e-Ha)」

キーワード:リンガライズドオクルージョン、ブレードティース、イーハブレイド、総入れ歯。

昨年12月(2004年)にヘレウスクルッアージャパンから発売になりました人工歯イーハブレイド(e-Ha)を使って、総義歯(総入れ歯)を作ってみました。

この人工歯は、日本歯科大学新潟校の小出教授が中心になり開発されたものです。写真の様に、奥歯が4本くっついた形態になっているのが、この歯の大きな特徴ですが、それだけではありません。今までにない、リアルな人工歯の形態であり、リンガライズドオクルージョンを実現するのに必要な形態が最初から付与されております。更に、リンガライズドオクルージョンを構成する人工歯の配列を、ある程度容易に付与しやすいような工夫もなされております。

リンガライズドオクルージョンとは

さて、ここで出てまいりました、リンガライズドオクルージョンとは何でしょうか。簡単に申し上げますと、上の歯の尖がった頭の部分を5ポイント作り、それに合わせて、下の奥歯にすり鉢状の受け皿を5ポイントつくる感じです。これは、入れ歯用の上下の歯のかみ合わせの仕方で、通常の健康な方の口の中には見られないかみ合わせです。

イーハブレイド(e-Ha)を用いて製作した総入れ歯。奥歯が4本連結した形態の人工歯を使用している
イーハブレイドを用いて製作した総入れ歯
製作した総入れ歯を別角度から見た写真。リアルな人工歯の形態がわかる
総入れ歯(別角度)
製作した総入れ歯の咬合面。リンガライズドオクルージョンの人工歯配列がわかる
総入れ歯の咬合面

使ってみた患者様の感想

小出教授らの研究によりますと、総入れ歯のかみ合わせでは、このリンガライズドオクルージョンが一番、物が咬めるそうです。ただ、今までは、このリンガライズドオクルージョンを作る人工の歯(入れ歯用の歯)に適当な物がなかったそうで、そこで自ら、何年もかけて開発されたそうです。

使ってみた感想を患者さんに聞いてみましたところ、これは良いとのお褒めをいただきました。そして、見た目にもとても自然感が出ており、ご満足いただきました。今までの入れ歯の人工歯は真っ平らになっており、顎を前に出して、物を潰して咬んでおられた様ですが、この義歯にしましたところ、ハサミの様に、顎を上下させるだけで噛み切ることができるようになったそうです。(下図、左側:旧義歯/右側:新義歯)

従来の総入れ歯(旧義歯)。人工歯の咬む面が真っ平らになっている
左側:旧義歯(従来の人工歯)
今回製作した総入れ歯(新義歯)。リンガライズドオクルージョンの人工歯で噛み切りやすい形態になっている
右側:新義歯(リンガライズドオクルージョン)

数ミリの誤差も許されない精密なかみ合わせ

以下は作る側からの感想ですが、臼歯部(奥歯)がくっついているので、とても並べやすいですし、削った感じも柔らかくないので、とても良い材料だと思いました。

しかし、このリンガライズド臼歯の場合、後で沢山削ってかみ合わせを作るものではなくて、出来上がった時には、殆ど調整の必要の無いレベルに仕上げておかなければなりません。咬む位置に関しては、水平的には、数ミリの誤差も許されません。なぜならば、片っ方の顎で5ポイントの接触点が決まっているので、削って合わせる訳にはいかないからです。

リンガライズドオクルージョンの臼歯。奥歯が連結しており、並べやすく削っても柔らかくない人工歯
連結したリンガライズド臼歯(人工歯)

接触点が左右にずれると使えない義歯になる

下の写真の赤いポイント同士が接触します。これが、作った時点で左右にずれている様だと、どうしようもない義歯になってしまいます。だからこそ、製作時の精度が極めて重要になります。

人工歯の接触点を赤いポイントで示した写真。上下の赤いポイント同士が正確に接触する必要がある
赤いポイント同士が接触する(位置がずれてはならない)

製作に必要な記録と工程

その為には、簡単にアルギン酸印象材で型を採ったものではダメですし、咬み合わせの記録でも、ゴシックアーチトレーサーと言う物を使って、3方向のチェックバイトと言う記録をしなければなりません。顔と口の位置関係を記録する、フェイスボウトランスファーも必須です。

よく噛める総入れ歯のために行うこと

  • 精密な印象(型採り)で粘膜の形を正確に再現する
  • ゴシックアーチトレーサーで3方向のチェックバイトを記録する
  • フェイスボウトランスファーで顔と口の位置関係を記録する
  • 出来上がりの時点で、ほぼ調整不要のレベルに仕上げる
精密な記録をもとに製作を進める総入れ歯の工程写真
精密な記録をもとに製作した総入れ歯
完成に近づいた総入れ歯を別角度から見た工程写真
総入れ歯(製作工程・別角度)

技工士の腕と設備が仕上がりを左右する

つまり、極力、誤差を排除する必要が有り、滅茶苦茶、時間がかかってしまいます。又、いくら歯科医師が頑張って歯型をとったり、咬み合わせの記録をとっても、それを忠実に生かせる腕や設備をもった技工士さんがいなければなりません。

義歯は、蝋(ろう)の上に人工の歯を配列したものを、蝋の部分を溶かしてそこにプラスチックを流し込んだりして作ります。そこで問題になるのが、プラスチックが硬化する時の収縮です(専門的には、重合収縮といいます)。その重合収縮を最低限に抑える重合方法がとても大事です。いくら歯科医側ががんばって型を採っても、実際義歯を作る技工側で変形があっては、どうにもなりません。

保険適用と費用について

この人工歯は健康保険の適応になってはおりますが、これだけ時間がかかってしまいますし、変形を極力避ける技工をして頂ける技工士さんにお願いしなければなりません。当然ながら技工料の方が保険点数を遥かに上回ります。又、例え保険で作ったとしても、保険の義歯はアクリルなので、これだけ咬めると、恐らく早期に義歯が割れますので、金属で義歯の大部分を作るパターンが良いですので、保険外診療となります。

上下で 132万円程度(税込)

また、人工歯は更に改良が進み、現在ではもっと良い製品を使用しています。本症例の義歯の作成は、歯成会の秋山技工士にお願いしました。

記入 2004/2/09/改変 2020/09/07/改変 2024/01/17

入れ歯でお困りの方へ

「入れ歯が合わない」「よく噛めない」とお悩みの方は、一度ご相談ください。お口の状態を拝見したうえで、よく噛める総入れ歯やミリングデンチャーなど、患者様に合った選択肢をご提案します。

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