インプラントは、下の図の様に、インプラント本体部分と歯に相当する部分に分けられます。
その中でもインプラント本体にも3種類ほどあります。簡単に言うと、3つに分かれているインプラントから2つ、1つのみのインプラントがあります。
- 治療について - インプラントの構造
インプラントの構造
ツーピースインプラント
骨に埋める部分と歯に相当する部分を結合する部分が分かれているタイプです。左図のパーツBに相当する部分を最初に埋めておき、数ヶ月後にパーツAに相当する部分を専用のネジで結合させて使います。パーツAの部分を後で選択する事が出来ます。
多くのインプラントメーカーでこのタイプが主流と思われます。長所は、インプラントと歯に相当する部分(上部構造と言います)はネジ等で留めてあります関係上、比較的自由に歯の部分に相当する部分を作る事ができます。
又、ワンピースとは違ってインプラントを埋めた時点では、口の中に出っ張りはございません。つまりインプラントが骨と結合するまでの間に過度の力が加わるのを避ける事ができます。欠点は、逆にワンピースとは違って、ネジで結合しますので、長年の間にネジが緩む事があります。又、上部構造自体をネジで直接留めてしまうネジ留め構造(スクリューリテイン構造)と、土台をネジでインプラントに留めてその土台の上にセメントで冠を固定するセメント固定構造があります。どちらが良いかと言えば、前者のネジ留め構造です。それは、セメント固定構造の様にセメントがインプラント付近に残る事が絶対に無いからです。このセメントの残留が周囲に炎症を起こす事が有るからです。
ワンピースインプラント
一本の棒状のインプラント。ネジが無いのが最大の利点。つまりネジが緩んだりする事は、構造上ありえない事です。そして、1本のチタンの棒なので折れにくいです。
しかし、埋めた時点で、口の中に棒状の出っ張りが出てしまいますので、埋めた当初から、力がかかってしまいます。又、長さが決まっていますので、埋めた後に、反対側の歯に当たってしまって削らなければならなかったり、逆に、長さが足りなかったりする事もあります。埋める部分の骨の状態が良ければ奥歯には向いていますが、前歯の様に見た目が問題になる部分では 使いにくいです。なぜならば、一本の棒の為に、出っ歯になってしまったりする角度になっても修正ができないからです。又、ネジで上部構造を留めていない為に上部構造が外れやすい欠点があります。なお18年以上前には当院では使っていました。そのインプラントが17年経過後にポキッと折れた症例が有ります。やはり金属疲労はどうしても起こるのです。よってインプラントが永久に持つとは全くもって言い切れないのです。