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- 治療について - 口の中の粘膜の病気

口の中の粘膜の病気

1996/3/13 某医大、耳鼻咽喉科教授による講演会より

伝染性単核球症 Infectious mononucleosi

EBウィルスによる感染症で大人に発症すると、口腔内のびらん(erosion)がひどく、通常の抗生物質に対して反応しにくく ミノサイクリンに反応する。リンパ球の増多が見られるが、数回検査しないと補足出来ないこともある。Kissinng diseaseともアメリカでは呼ばれSTDの一種とされている。ポールバンネル反応は日本人の場合は陰性のことが多い。

追補:このウイルスに感染すると、後遺症として慢性的な疲労を訴える方がいるそうだ。2020年の新型コロナにもこの様な症状があるらしいです。

梅毒 Syphili

今時、口腔内に梅毒の硬結を認めることは少なくなった。それは抗生物質によく反応して、口腔周囲の潰瘍等はすぐに消失してしまうが、陰部等の潰瘍はなかなか直らず、他人に移してしまうことが多い。しかし難治性の口腔潰瘍等は、悪性腫瘍のようでなければ、梅毒を疑ってみる必要がある。この先生の外来には16歳の女子高生で口唇の潰瘍が治らないため母親と一緒に来院した患者で、よく調べてみると梅毒であった症例や、 26歳OLで咽頭部の潰瘍を主訴に来院した患者でよく調べてみると、梅毒で、どこで感染してきたか聞いたところ、日本での性的接触は無く、旅行で行った東南アジアでビーチボーイと一度、性交を行った事による感染と判明したそうだ。又、27歳の銀行員でソープランドで梅毒になってきた症例も報告された。

そこで、この先生曰く、乱れた、現代社会では、よく考えて行動しなければならないし、教育の必要性が有ると訴えていた。尚、直るが、梅毒は、一度かかると血液検査では、TPHA値は一生0の値にならない。要するに、梅毒の前科がついてしまうそうだ。

このTPHA値は特殊な検査でもなんでも無くて、何か手術をする際には、必ずと言って良いほど検査すると思っていて下さい。

AIDS Acquired Immune Deficiency Syndrom

リンパ節の腫脹を繰り返し、体重減少、ヘルペス性口唇炎等をよく生じる場合は、この疾患を疑って見る必要有り。CD4が500以下位になってくると発症し、口腔内にカンジタ症が現れるようになる。そのカンジタは口腔内から消化管迄続く場合も多い。そうなると、End stageが近い。この先生がタイ国北部に視察に行った所、病院では、この病気の人が多く毎日の様に亡くなっているのが現状だそうだ。これは私見ですが、日本でも結構病院関係者に聞きますと、この病気の方もいるそうなので、国民の皆さんに、常々、啓蒙と、教育をして行く必要があると思いました。(今は何か、もう忘れられた存在になっている気がします)

この他にも、日常的に見られる口内炎、真菌(カビ)によるカンジタ、原因が良く分からない扁平苔癬等が有ります。


ほかにも色々お話が有りましたが、女子高生が梅毒!!あきれてしまうと共に、これでは、エイズがひろがるのも時間の問題だと思いました。エイズに対する治療法の開発は急務であることは言うまでもありませんが、もう少し社会全体、地球規模で考え対策をとらないと、人類は滅亡するのではないかと、暗い気持ちになりました。なお、2021年現在、HIVの治療は急速に進み、エイズの発症はかなり抑えられるそうです。そして早期発見早期治療でそうですが、ならないに越したことは無いですね。

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