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- 治療について - ケースルクト法根管治療とは

ケースルクト法根管治療とは

根管治療とは

根管治療は、齲蝕(虫歯)や歯の破折等により歯髄が感染または損傷した場合に、歯を保存するために行われる歯科治療です。本治療は、感染した歯髄を除去し、根管内を清掃・殺菌することで、再感染を防ぎ、歯の機能を回復させることを目的としています。特に、根尖孔と呼ばれる根の先端にある微細な孔を確実に閉鎖することは、治療の成功に不可欠であり、根管治療における重要な要素です。

根管治療について詳しくはこちらをご覧ください。

根管と根尖孔

日本の根管治療の現状

2005年9月から2006年12月にかけて、東京医科歯科大学むし歯外来を受診した患者のレントゲン写真に関する須田らの研究によれば、全ての歯種において、根尖病変を示唆する透過像(以下、根尖病変)が5割以上の症例で認められました。ただし、根尖病変は必ずしも疾患を意味するものではなく、治癒過程にある場合も含まれます。しかしながら、咬合時の違和感や歯根嚢胞などの疾患に繋がる可能性も否定できません。この結果は、根尖病変の罹患率が看過できない水準であることを示唆しています。

この高い罹患率の背景には、主に2つの要因が考えられます。1つは、歯科医師養成課程における教育内容の現状です。国内には29の歯科系大学・学部が存在しますが、国家試験の基準に準拠した教育を行う必要性から、最新の根管治療に関する技術や理論の導入が遅れている可能性があります。そのため、日本の根管治療は、必ずしも最新のエビデンスに基づいたものとは言えない場合があります。

もう1つの要因として、日本の保険診療制度が挙げられます。保険診療は、一定の範囲内で医療機関の裁量に委ねる一方で、診療報酬を低く設定する傾向があります。特に根管治療においては、その報酬水準は先進諸国と比較して著しく低いことが指摘されています。根管治療は、高度な技術と時間を要する治療であり、適切な処置を行うためには相応の費用が必要です。

診療報酬の課題とは別に、日本の根管治療においての技術的な問題は以下の通りと考えています。

  1. 根尖孔閉鎖の軽視:根管内の清掃に重点を置くあまり、根尖孔の確実な閉鎖が後回しにされる傾向があります。根尖孔の不確実な閉鎖が、治療後の不快症状の主要な原因であるという認識が不足しています。
  2. 教育における側方加圧根管充填の偏重:日本の歯科大学教育では、根尖孔の確実な閉鎖が困難な側方加圧根管充填が主流であり、垂直加圧根管充填の教育が十分に行われていません。適切な垂直加圧根管充填法が普及すれば、根管治療のトラブルは大幅に減少する可能性があります。
  3. 症状のある歯への対応:根尖孔を確実に閉鎖することで症状のある歯も治癒に向かうという発想が乏しく、症状のある歯に対しては根管内の薬剤交換のみが繰り返される傾向があります。結果として、細菌の繁殖が制御不能となり、抜歯に至るケースが多く見られます。
  4. 自費診療における誤った情報の普及:自費診療の根管治療においても、効果が低い治療法が「米国式根管治療」として広まっている現状があります。これらの治療法では、本来根管治療で治癒可能なケースでも外科治療が必要となることがあります。
  5. ラバーダム・マイクロスコープへの過信:自費診療においては、ラバーダムやマイクロスコープの使用が強調されることが多いですが、これらの器具を使用したからといって必ずしも根管治療が成功するわけではありません。根管治療の成功には、適切な診断、高度な技術、そして根尖孔の確実な閉鎖が不可欠です。

これらの問題点は、根管治療の成功率を低下させ、患者の不利益に繋がっている可能性があります。

ご自身の歯を長く健康に保つためには、十分な技術と経験を持つ歯科医院で、適切な費用をかけて質の高い治療を受けることが重要です。安価な治療を選択した場合、将来的に歯を失い、インプラント治療が必要になる可能性が高まるかもしれません。

ケースルクト法による根管治療

ケースルクト法(K.SRCT法)は、久保倉が2018年に発表した根管治療法です。従来の治療法と異なり、根管の先端にある小さな穴「根尖孔」を確実に塞ぐことを重視しています。これにより、細菌の侵入を防ぎ、治療の成功率を高めることを目指しています。

ケースルクト法の主な特徴
  1. 根尖孔の確実な閉鎖:根尖孔を徹底的に閉鎖することで、再感染のリスクを減らします。
  2. 垂直加圧根管充填法:従来の側方加圧法よりも、根尖孔への密閉性が高い垂直加圧法を採用しています。
  3. 最新技術の融合:アメリカの根管形成技術(CWCT法)と日本の根尖孔閉鎖技術(オピアンキャリア法)を組み合わせています。
  4. 歯の切削量を最小限に:歯の切削量を抑えることで、歯の寿命を長く保ちます。
  5. 通院回数の削減:従来の治療よりも少ない通院回数で治療を完了できる場合があります。
  6. 抜歯回避の可能性:従来抜歯と診断された歯根のう胞や歯性上顎洞炎も治療できる場合があり、結果として抜歯を回避できる可能性があります。
  7. 1回あたりの治療時間:1時間から1時間半です。保険外診療です。(費用は下記に)
ケースルクト法のメリット
  1. 治療後の再感染リスクが低い
  2. 治療後の長期的な安定性が高い
  3. 通院回数を減らせる可能性がある
  4. 骨が再生して抜歯を回避できる可能性がある
その他
    1. ケースルクト法は、2020年の日本歯内療法学会で発表されています。
    2. 「日本歯内療法学会がすべての歯科医師に送る最新トレンド」という書籍にも掲載されています。

ケースルクト法(K.SRCT法)の書籍

K.SRCT法の全てを公開した専門書

K.SRCT法の全てを公開した専門書です。
191ページ オールカラー
ISBN978-4-931562-44-8
日労研発行 2018
全国、書店。Amazonでもお買い求めいただけます。

K.SRCT法の全てを公開した専門書

K.SRCT法の全てを公開した専門書

一般向けにK.SRCT法を紹介した本です。
全国書店、amazonでもお買い求めいただけます。223ページ
ISBN978-4-931562-42-4
日労研発行 2018

根の治療でお困りの方は、無料メール相談を受け付けます。但し、通院可能な方に限らせて頂きます。
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ケースルクト法で再治療をすると歯根嚢胞(しこんのうほう)でも治ることが多い

歯根嚢胞とは?

歯根のう胞

日本では、歯根嚢胞と診断された場合、かなりのケースで抜歯や外科手術(歯根端切除術)が選択されます。しかし、当院で行っているケースルクト法(K.SRCT法)は、これらの従来の方法とは全く異なるアプローチで、歯根嚢胞の改善を目指す治療法です。

ケースルクト法の最大の特徴は、抜歯や外科手術を回避し、歯を温存できる可能性がある点です。従来の根管治療では治癒が難しいとされた歯根嚢胞も、ケースルクト法では根尖孔の確実な閉鎖と高度な根管内清掃により、改善が見込めます。さらに、ケースルクト法による治療では、骨の再生も期待でき、より健康な状態へと導きます。

この改善が見込めるケースルクト法を求め、北は北海道、南は沖縄からも患者様がいらっしゃっています。

しかし、全ての歯根嚢胞がケースルクト法で改善するわけではありません。以下のケースは、ケースルクト法の適応外となります。

  1. 歯根にヒビや割れがある場合:歯の構造的な問題がある場合は、ケースルクト法での改善は困難です。
  2. 既存の土台が外せない場合:根管内に深く挿入された金属やグラスファイバーの土台は、無理に外すと歯を破損する恐れがあるため、ケースルクト法を適用できません。
  3. 著しい歯の動揺がある場合:歯周病などにより、歯の動揺が著しい場合も、ケースルクト法での改善は難しい場合があります。
  4. 過去に歯根端切除術を受けている歯
  5. 保存しても意味がないほど歯質が失われている歯:歯の大部分が失われている場合や、修復が困難な状態の場合、保存しても機能回復が望めません。

『歯根嚢胞=抜歯・手術』ではありません。上記の適応外ケースに該当しない場合、当院では、患者様自身の歯をできる限り残すことを第一に考え、ケースルクト法による治療を提供しています。当院には、北海道から沖縄まで、全国各地から患者様が来院されます。多くの患者様が、当院の治療によって抜歯を回避されています。抜歯や手術を勧められた方も、諦めずに一度ご相談ください。

歯根のう胞は切らなくても治るも参考にしてください。

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または qakeiyuukai@gmail.com

K.SRCT ケースルクト法根管治療の成功率 予後(専門的内容)

K.SRCT法を用いた根管治療の治療成績

<抜髄症例>

当院では、デジタルレントゲンにて過去十数年間に実施したケースルクト法による抜髄症例の予後調査を2017年に行いました。なお、抜髄とは、虫歯や歯の亀裂などにより歯髄(歯の神経)が炎症を起こした場合に行う、最初の根管治療のことです。当院は研究教育研究機関ではないため、予後判定を目的とした定期的なレントゲン撮影は行っておりません。よって本調査は、以後の診療で偶然撮影されたレントゲン画像から確認できた症例を抽出したものです。

評価基準

5 全く問題なし CT等で完全に確認できる場合
4 問題なし パントモやデンタルで確認が出来る場合
3 根尖病変はなし。しかし瘢痕を思わせる場合や歯根膜腔の拡大を認める場合
2 小さい根尖病変を認める
1 明らかに根尖病変を認める。または歯根破折

上記の1,2は失敗と判断した。

根数 症例数 経過年数 評価1症例数 評価2症例数 評価3症例数 評価4症例数 評価5症例数 成功率
(%)
評価平均
(5点満点)
単根 31 60.3 0 0 9 8 14 100 4.19
単根即根充 32 9.42 1 1 0 15 15 93.75 4.31
複根 35 6.95 0 2 2 19 14 94.29 4.29
3根管以上 52 5.81 1 2 4 13 32 94.23 4.4
平均 7.05 95.56 4.3

平均7年の経過観察における成功率は95.56%でした。

単根歯は前歯、複根歯は小臼歯、3根以上は大臼歯です。日本での一般的な成功率30%~50%、アメリカでの80%と比較しても非常に高い数値であり、ケースルクト法の優れた治療成績を示しています。

<感染根管処置>他院での治療のやり直しの場合

根数 症例数 平均観察期間(年) 改善率(%) 悪化率(%) 不変率(%) 改善度(4点満点)
単根 43 3.34 93 0 7 2.1
複根 28 3.8 78.6 7.1 18.2 1.2
3根管以上 25 4.32 92 4 4 2.32
平均 32 3.82 87.87 3.7 9.73 1.87

改善率の平均値は87.9%

ケースルクト法では、原則として無症状の根管治療は行わず、ほぼ全ての症例が痛みなどの不快症状を伴う歯が対象です。治療の成功率は平均80%台後半であり、この評価基準は抜髄と同様に、問題なく使用できる歯であっても根尖病変が見られた場合は失敗と判定する厳しいものです。

「改善度」とは、この評価基準において根管治療によって状態がどれだけ改善したかを数値化したものです。例えば、評価基準1である根尖病変が見られる場合でも、治療によって評価基準3程度まで改善が期待できることを示し、根尖病変が治癒する可能性を示唆しています。

費用(今まで治療をしていない歯の場合):抜髄処置・歯髄壊死

一度も根の中の治療をしていない歯の場合で、根の中を詰める根管充填を行うまでです。

治療に使うドリル類は全て、新品を使います。切れ味が良い事は言うまでも有りませんが、良くある過誤である根管内での器具の破折は起こりません。又、ラバーダムと言う物を使って、唾液中の細菌が入り込むのを抑制しマイクロスコープを確認しながら、充分な時間を取って治療をいたします。

基本投薬料(3日分)も治療費に含まれます。

<上顎> 上の歯の費用(円・税込)と治療回数

55.000円~132.000円(歯の部位による)

歯の種類 上顎前歯 上顎犬歯 上顎小臼歯 上顎大臼歯
歯の番号 1 2 3 4 5 6 7
治療費用 55,000 55,000 66,000 66,000 66,000 110,000 110,000
治療回数 1 1 1 2 2 3 3

<下顎> 下の歯の費用(円・税込み)と治療回数

歯の種類 下顎前歯 下顎犬歯 下顎小臼歯 下顎大臼歯
歯の番号 1 2 3 4 5 6 7
治療費用 66,000 66,000 66,000 55,000 55,000 132,000 132,000
治療回数 1 1 1 1 1 3 3

2回目以降は再診料として5500円がかかります。

根管治療小器具は、全て新品を使用。(Kファイル Hファイル エンドウェーブ)
ラバーダム防湿の上治療(歯の崩壊程度により、できない場合もありますが、予後に差はありません)
充填物の除去から根管充填までの費用となります。
治療回数は平均的な治療回数を示しています。できれば1回で終了するのが望ましい。
治療費用の単位は円(税込み)
マイクロスコープによる精密な治療
1回の治療は1時間から1時間半程度です。
根管充填のシーラーはバイオセラミック系を使用(最も生体に優しい)
根管治療は、根の形や湾曲により治療成果は左右されます。よってマイクロエンドにより治療精度は上昇しますが、ごく希に一生懸命治療してもご期待にそえず抜歯になる事もあり得ます。その際には費用の返金はいたしません。

費用(一度根管治療をしてある歯の再度の根管治療の場合):再根管治療

一度根の中の治療をしている歯の場合。(再治療)
投薬料(3日分)も治療費に含まれます。

抜髄処置に比べて、充填材を外す時間及び、根の中を綺麗にする時間がかかってしまいます。尚、なおこの再管処置については、前医の治療の仕方によっては、結果が出せない場合もありますので、治療適応にならない場合もあります。

基本投薬料(3日分)も治療費に含まれます。

77.000円~209.000円(歯の部位による)

<上顎> 上の歯の費用(円・税込み)と治療回数

歯の種類 上顎前歯 上顎犬歯 上顎小臼歯 上顎大臼歯
歯の番号 1 2 3 4 5 6 7
治療費用 77,000 77,000 110,000 110,000 110,000 165,000 165,000
治療回数 1 1 2 3 3 3 3

<下顎> 下の歯の費用(円・税込み)と治療回数

歯の種類 下顎前歯 下顎犬歯 下顎小臼歯 下顎大臼歯
歯の番号 1 2 3 4 5 6 7
治療費用 110,000 110,000 110,000 77,000 77,000 209,000 209,000
治療回数 2 2 2 1 1 4 4

2回目以降は再診料として5500円がかかります。

治療を開始してすぐに、亀裂の発見、治療不能な大きな穿孔の発見等で予後不良が予想される場合は、33.000円(税込み)で終了
歯の中に金属の土台が入っている場合は除去が非常に大変な場合があります。11.000円~33.000円かかります。
穿孔部をプロルートで充填する必要が有る場合は、材料費として11.000円(税込み)かかります。
根管治療小器具は、全て新品を使用。(Kファイル Hファイル エンドウェーブ)
ラバーダム防湿の上治療(歯の崩壊程度により、できない場合もありますが、予後に差はありません)
充填物の除去から根管充填までの費用となります。
治療回数は平均的な治療回数を示しています。根の中の状況によっては回数は増減します。
治療費用の単位は円(税込み)
マイクロスコープによる精密な治療
根管充填の際のシーラーはバイオセラミック系を使用(生体に最も優しい)
感染根管治療は、前医の治療の状態、根の形や湾曲により治療成果は左右されます。よってマイクロエンドにより治療精度は上昇しますが、ごく希に一生懸命治療してもご期待にそえず抜歯になる事もあり得ます。その際には費用の返金はいたしません。
治療後、外科的な根管治療が必要になった場合は、別途費用がかかります。
一回の治療時間は1時間~1時間半程度です。

外科的歯内療法

被せものを除去したくないような場合や通常のアプローチでは治癒しない場合、顕微鏡を用いて、根の外側から治療を行う方法です。ケースルクト法根管治療は、殆ど外科的な方法は行わないで済む場合が多いです。当院での実施率は非常に少ないのが現状です。

根の外側から治療した部分は、骨補填材と吸収性コラーゲン膜で保護します。

※治療費用はすべて税抜
前歯部(1,2,3番) 88.000円
小臼歯部(4,5番) 132.000円
上顎大臼歯(6番)  165.000円
下顎大臼歯(6番)  198.000円
診断的フラップ処置  33.000円

外科的歯内療法

治療中の痛み

「チクチクする痛みが心配」という患者様も中にはいらっしゃいますが、心配はご無用です。 無痛にするための麻酔を事前にいたしますので、ご安心ください。麻酔自体も当然痛くありません。

治療後の痛み

根管治療を当院で最初に受ける歯の場合、ほとんどの場合、治療後に「噛むと痛みが出る」という症状が出る場合があります。しかし、通常1週間程度で治まる場合が多いです。

ケースルクト法根管治療が終わったら

前歯の様な直接、力の入らない様な部分で審美的に問題が無いようでしたら、根管治療をした部分を詰める事で終了をする場合も有りますが、一般的には、被せる治療を行います。

また根の先の病変が大きかった場合は、半年程度経過してからレントゲンを撮影をします。そして予後の評価を行い、状況が良ければ被せる処置などを行います。

ケースルクト法根管治療ができない歯

明らかに、歯根が折れているのが確認できる歯。根管治療は出来ても、被せるような歯が残っていない歯。大きく動く歯。歯根端切除術など外科処置を既に受けている歯。 逆に歯根の先に大きな根尖病変が有っても、適応外にはなりません。

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